生前贈与
生前贈与
贈与税の課税方式には、暦年課税と相続時精算課税の2つの方式があります。
前者は、1年間の贈与に対して課される課税方式で、後者は平成15年に新しく導入された相続税と一体化した課税方式です。
各々に長短あるので種々の相続対策が考えられますが、一度後者を選択してしまうと前者に後戻りすることができなくなるので、慎重に検討していく必要があります。
なお、相続・遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から贈与により財産を取得していれば、生前贈与加算として贈与価額が相続税の課税価格に算入されます。
その際、相続税額から贈与税額控除を行うことで二重課税の防止をしています。
暦年課税方式を使った相続対策
孫等への世代を超えた贈与や、できるだけ多くの人に贈与するといったメリットはよく言われることですが、この方式で特に注意すべきは、税務署から否認されないよう、明確に証拠を残しておくことです。
具体的には、以下のようなものが挙げられます
1.贈与契約書の作成と確定日付の取得
2.財産の名義変更(不動産なら贈与を原因に移転登記)
3.贈与後の財産管理権の所属移転
4.証拠優先のための少額贈与税申告
5.名義預金、連年贈与への対策の徹底
京都相続・後見サポートでは、司法書士・税理士・ファイナンシャルプランナーが贈与契約証書の作成から、確定日付の取得、登記名義の変更、贈与税申告、計画的な相続対策の計画・実行のお手伝いをしています。
納税資金対策として、現金等の金融資産の贈与が比較的簡単で有効です。
人の生き死にはわからないものなので、せっかく生前贈与しても3年以内に相続が発生すれば、生前贈与加算として相続税に加算されてしまいます。それを防ぐため、子や孫の配偶者等、推定相続人以外へ贈与しておくことは有効です。
既に相続税法上の保険金の非課税限度額を超える保険がある場合、相続税で課税されるより、所得税・住民税で課税される方が税率が低く、有利になることがあります。
その場合、親(将来の被相続人)が子(将来の相続人)に保険料相当額の金銭を贈与したうえで、子が保険料負担者兼保険金受取人、親を被保険者とした生命保険契約を締結することになります。
配偶者に居住用不動産そのものかその取得のための金銭を贈与した場合、基礎控除含め2110万円まで、贈与税がかからず財産移転ができます。
どちらが先に逝くかは神のみぞ知るですが、平均寿命からすると妻への贈与が妥当のようです。
相続時精算課税方式を使った相続対策
将来の相続税の課税価格に加算される相続時精算課税適用財産の財産評価は贈与時の価額なので、将来値上がりが期待できる財産をこの方式で贈与できれば有効です。
しかし、資産デフレの下にあり、世界にも例がないほど急速に少子高齢化が進行する日本では、将来的な経済成長の予想は非常に困難で、個々の財産の値上がり予想はさらに困難であるというのが現実です。
そこで、この方式を本当に選択する本当の目的を再度自問し、改めてビジョンを明確にしましょう。
この方式の場合、対象者は限られていますが、財産の種類・金額・回数に制限がなく、非課税金額が2500万円(超過しても税率が一律20%と低い)と多いので、賃貸物件等の不動産や同族株式(取引相場のない株式)等比較的高額な資産への利用が考えられます。
比較的高額の資金を要する賃貸物件を建築してから、その物件を子に一括贈与することでいくつかのメリットが考えられます。
1.建築後に評価が下がる(建築価額の約60%)ので、建築前に現金で贈与するより約40%の節税になる。
2.贈与後の家賃収入が直接、子のものになるので、親のさらなる財産の蓄積を抑制すると共に、子の納税資金の確保に貢献する。
3.贈与に際し、登記名義まで変えるので、遺産相続で、もめにくい。
住宅取得等資金の贈与に係る特例と言われる様に、住宅資金の贈与にだけ適用があります。暦年課税の配偶者控除の特例と違い、居住用不動産そのものの贈与は認められませんので注意してください。
特例の特徴として、贈与者である親の年齢制限が撤廃され、65歳未満の親にもこの規定の適用があり、さらに特別控除が1,000万円上乗せされ3500万になっています。両親それぞれから各3,500万円贈与されれば、合計7000万円、夫婦の両親からなら合計1億4,000万円のマイホーム資金が調達できることになります。





